これらの山の名前を知ったのはずいぶん前になる。
その頃、やまあそさんが登っていたので、いっぺん行ってみようとふもとまで行ったが、父たぬきが発熱。
登らず、すぐに帰ってきた。
あれから15年近く経った。
175号線を走ると加古川の反対側にそびえる山。
周回できるので、散歩がわりに行ってみよ、と父たぬき。
175号線中央橋信号を右折、峠のトンネルを抜けると加美町中区。
東安田信号を左折してしばらく走ると武嶋山が見える。
鋭い岩が屹立し、中腹にはお堂も見える。
猪柵を開けて境内に入る。
準備をしていると近所の方なのか、散歩の途中に立ち寄られ、柵の外から手を合わせておられる。
多可十景のひとつ、武嶋山。
摩崖仏や行場もあるようだ。
四国八十八ヵ所、西国三十三ヵ所の石仏を巡ながらつづらおれの道を登っていく。
10分足らずで清巖寺本堂に着く。
摩崖仏までは近づけないのでズームで写す。
肉眼ではよくわからなかったが役行者像のようだ。
いつだれが彫ったものか不明とある。
鎌倉山の摩崖仏も確か役行者だったと記憶しているが。
本堂の周りには平坦なところがあり、ここで護摩焚きなどが行われるのだろう。
お堂の裏の鉄はしごを登り、岩をよじ登る。
礫岩なのか、小石の混じった岩でグリップがよくきく。
岩の斜面を登っていくと尖った岩の上を慎重に歩く。
北からの風が冷たい。
行場らしい岩場である。
岩の上は見晴らしがいい。
妙見山の右肩に白い千ヶ峰、飯森山、笠形山と続く山々。
笠形山のふもとにある扁妙の滝は凍結していることだろう。
岩の武嶋山を過ぎると、シダの多い尾根道となる。
武嶋山から続く尾根は西脇市と多可町中区の境界である。
細い踏み跡をたどり、昨年の台風で折れた枝や倒木を避けながら歩く。
前方に大木山と鉄塔。
まずはあの鉄塔をめざそう。
鉄塔手前の鞍部には、北へ下りる道が見て取れる。
北には善光寺という古刹があり、清巖寺は善光寺の尼僧によって建立されたという、とふもとの説明にあった。
歩き始めて1時間余りで鉄塔の下に着く。
白い千ヶ峰がきれいだ。
歩きやすい鉄塔巡視路はすぐに南の谷へ下りていっている。
少し急な尾根を登っていくと、山頂手前のピークに出る。
木の間から、北には五台山、東に三角点山、西光寺山、白山・妙見山などが見える。
尾根を少し歩くと三等三角点のある大木山(375m)に着く。
山名板やプレートのない静かな山頂である。
尾根をさらに南へ歩く。
シダや小枝に阻まれ歩きにくい。
ときどき、展望のよいところに出る。
南には淡路島や雄岡山・雌岡山、その間には明石海峡大橋の主塔も。
テレビのアンテナのあるピークに出る。
ケーブルは東側の黒田庄に下りているようだ。
大木山から30分余りで下山尾根の分岐である。
尾根は南へ続いているが、西の尾根に向かう。
少し歩くと、坂本城址や大坂山が望める。
10分ほどでP260。
さらに尾根を10分ほど歩くと鉄塔42に出る。
陽あたりがよく暖かい。
矢筈山や真夏にかき氷を食べた木谷山、五峰山のシルエットが早春の光の中に浮かび上がる。
鉄塔からは巡視路を下る。
これまでとはちがいハイウエイのような道。
正面に武嶋山と笠形山。
笠形山は登り始めから下山まで、ずっと見守ってくれていたね。
鉄塔43に着くと、武嶋キャンプ場は近い。
キャンプ場の中を歩き、車に戻る。
登りはじめの清巖寺から、岩あり、展望ありで、周回コースとしておもしろいところだった。
シダや藪の多い、なかなかタフな散歩だったが(^^;