2年前の4月にやまあそさんと山南町の五ヶ野にある清水寺跡を訪ねた。
その後、地元の方たちによって、参道が整備され、このほど「西の岩屋」を訪ねる催しが行われた。
東の岩屋の石龕寺に対し、五ヶ野の清水寺を西の岩屋と呼んだことから古来から親しまれてきた。
集合時刻よりも早く到着。
岩屋山で受付をしていると、自治会長のHさんがおられ、私の顔を覚えてくださっていた。
一足先に登らせていただくことを告げ、岩屋をめざす。
看板や道標が設置され、歩きやすくなっている。
この道は倒木で歩けるような状態ではなかったが、きれいに整備されている。
手作りの杖もたくさん用意されている。
途中には休憩所もできている。
ここからは山腹をつづらおれに登っていく。
(やまあそさんと来た時は、谷をそのまま登っていったと記憶している)
細い道が続く。
出発するときにHさんから、
「細いところではすれ違いにくいと思うので。」ときいていたところだろう。
およそ30分で清水寺跡に着く。
東の堂跡と書かれた標柱が立つ。
石柱は、以前は枯葉や木の枝に埋もれていたが、取り除かれて堂跡らしきすがたになっている。
重くて里におろされなかった石仏。
「またお会いしましたね。」
岩屋にも花が手向けられている。
前回は見ることができなかった役行者像は?
と捜すと、岩屋の奥の岩棚の上で寺跡を静かに佇んでいる。
ちょうど霧がはれ、陽光がお顔に当たる。
役行者像は、ここからずっと寺跡を見守っているのだ。
麓から法螺貝の音が聞こえ、人々も声も届く。
そろそろ出発されたのかな。
急いで下りる。
先頭はずいぶん上の方まで来られている。
途中で止まって列が途切れるまで待つ。
「あっ、だっちゃん!」
列の中にだっちゃんを見つける。
少し話をして別れる。
休憩場所まで下りると、たくさんの人が休んでおられる。
さらに下りていくと、どこかで見たお顔、to_ryoさん も登って来られる。
久しぶりにお会いするが、ブログを拝見しているので、よく出会っているような気がする。
何人も出会い、最後の方で自治会長さんも登ってこられた。
「歩きやすくなっていますね。」
というと、
「ありがとうございます。」
という返事。
ありがとうと言うのはこちらなんやけど・・・。
岩屋山へ戻ると、できたての豚汁をごちそうになる。
戸数34戸の小さな集落だが、道の整備、催しの準備等、地域の人たちが力を併せておられる様子がよくわかる。
豚汁をいただき、一足お先に失礼する。
帰ろうとすると、岩屋へ行かずにみなさんの帰りと待つ人、みなさんが
「ごくろうさまでした。」
と席を立って見送ってくださった。
お礼を言うのはこちらなのに・・・。
身も心も温かくなる。
霧がはれた空のような気分で岩屋山をあとにする。
車に乗ろうとしたとき、西の岩屋から法螺貝の音が聞こえてきた。