三草山からは鹿野コースを下りる予定で、南へ下る。
女の子とお母さんが同じ方向へ下りていかれるのに続いて下りる。
山頂から少し下ったところに、「三草古道」の標識。
踏み跡もしっかりしているようだ。
「こんな道があったかなぁ?」
「ここを下りてみよ。」
降りはじめは急だ。
お父さんと女の子が登ってくる。
「山頂は?」と尋ねられたので、
「もうそこですよ。」と応えるとうれしそうにされる。
すぐに歩きやすい道になる。
明るく展望のいい道で、このコースを登ってくるグループもある。
「けっこうよく歩かれてるんやね。」
尾根の先端辺りまでくると、「サミット会場」と書かれた標識がぶら下がっている。
登山口はまっすぐ下りていくのだが、ちょっと寄り道してみよう。
少し歩くと「大人の隠れ家」という標識がぶら下がり、平坦なところに木で作ったテーブルやベンチのようなものが置いてある。
隠れ家からも登山口の表示があるが、反対方向への道が気になり、そちらを歩く。
山腹を歩いていくと、谷の源頭に出る。
さらに道は続いているが、その道を歩くと尾根に出るようだ。
テープが谷へと導いているので、ここから谷を下りていく。
はっきりとした道ではないが、歩けないことはない。
「あれっ。」
前を行く父たぬきの驚いたような声に、前を見ると女性が一人で登ってこられる。
「歩いたことのないコースなので。」
山頂への道をお教えし、「お気をつけて」と見送る。
このコースは炭焼窯跡がたくさんあり、門のように石組みが残っているものもある。
いくつも窯跡があるので「炭焼窯コースと呼んだらいいな。」と話していたのだが、下山して案内図を見ると、炭焼窯跡古道という名前がついていた。
昭和池ができる前は、付近の人々の生活を守る山だったのだろう。
何度も流れを渡り返し、ようやく長い谷歩きが終わる。
池沿いに歩き、陽当りのよいところで昭和池を眺めながらお昼にする。
お昼を食べたところからしばらく歩くと、三草コースと合流する。
ここからは左に折れて、いちばん西にあるピークを登って駐車場へ戻る。
以前は、このピークを越えて三草山へ登っていたが、今はこの山の北側を歩くようになっている。
オフロードバイクが斜面を走っていたことを思い出しながら下山する。
駐車場にはまだ多くの車が残っている。
初めての三草古道、炭焼窯跡古道、なかなか楽しいコースだった。