稲垣栄洋「身近な雑草の愉快な生き方」(ちくま文庫)より
酢漿草(カタバミ)~花ことばは「輝く心」の倹約型雑草
この雑草を抜き去ろうと人間が不用意に触れると、その振動で発射装置が
作動して、種子がバチバチと音をたてながら飛び散っていく。
粘着物質が種子と一緒に飛び散って、人の靴や衣服に付着するようになっている。
夕方になるとカタバミは葉を閉じてしまう。夜間の放射冷却によって熱が
逃げるのを防ぐためであると考えられている。
曇りや雨の日には、花は開かない。虫が訪れる可能性が低いので、
花を閉じて花粉のロスを防いでいる。
つねに状況を判断しながら、こまめにエネルギーや資源の節約に励んでいるのである。
「輝く心」… いいですね。