この日の目的地の余呉湖。
下調べも何もせず、地図を頼りに何とか到着。
基本的にナビは使わず、地図派です(笑)。
悪性腫瘍のため、昭和50年に35歳で亡くなった、日本画家の三橋節子さん。
今年の春先に大津の美術館で、その作品を初めて鑑賞していました。
右腕を切断しても、絵筆を左手に持ち替えて、
限られた時間の中で、琵琶湖周辺の伝説をテーマに、
死を予感したような哀しい色、でも温かみのある作品を遺しておられます。
こちらが最後の作品となった「余呉の天女」。
亡くなる少し前に、幼い子供たちとともに家族で旅行したのが、
この余呉湖だったそうです。
梅原猛 『湖の伝説』 の口絵より
梅原猛先生の『湖の伝説』という本を、学生時代に古本屋で買い、
この画家さんのことを知りました。
以来、「余呉湖」という名前の響きが、ずっと心に引っかかっていました。
それからウン十年。
実際に来てみると、どうということもない、ごく普通の小さな湖(笑)
でも、静かな湖面を眺めながら、画家さんはこの場にたたずんで
(体を起こしているのもしんどかったのかもしれないけど、)
どんな気持ちで最後の作品のイメージを構想していたんだろうな、
などと考えていました。
lake yogo, shiga