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発行日時
2017-8-31 9:51
見出し
12.手間暇かけて作る干瓢
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http://tanba.jp/modules/column/index.php?page=article&storyid=5100 12.手間暇かけて作る干瓢への外部リンク
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 「なんで今いきなり干瓢なん」と突っ込まれそうですが、この時期、ぜひ干瓢を書いておきたいと思います。いろいろな食材の溢れている現在、干瓢なんて地味な素材は見向きもされないかもしれません。しかし、干瓢を毎年作って届けてくれていた祖母への思いもあって、私にとっては大切な味です。  季語としては、新干瓢・干瓢剥く・干瓢干すなど、夏に分類されます。夏が終わり秋が始まる、ちょうど今頃、干瓢は出来あがります。夕顔の実(白い冬瓜のイメージ)を輪切りにして、中の柔らかい部分を取って、干瓢剥きという小さなピーラーのような道具を使って、内側から細く剥いて(かつら剥きの感じ)長いひも状にしたものを、竿や綱に掛けて干して作ります。慣れないと短い切れ切れのものができます。干しあがるまでも、水分が多いので黴がつかないように、お天気や場所に気を配ります。こうして干瓢は出来上がります。  数年前の4月末、苗屋さんで、干瓢の苗を見つけ2本買って植えました。それから、ほっておくこと3カ月、けなげにも直径30センチほどの実が2個成りました(手入れをするともっと成るらしいのですが)。7月末に収穫しました。干瓢作りの先輩である叔母に教えてもらって、干瓢の実を切って剥いてみました。そして、雨にあわないよう干すこと数日。お巻き寿司20本ほど巻けるぐらいの干瓢が出来あがりました。実の大きさの割に出来あがりは少ないし、時間は結構かかりますし、手間もかかります。しかし、何とも言えずあたたかい気持ちになりました。  祖母が干瓢を作っているのを見ていて『めんどうなことしてはる』と思ったりしていたのですが、手をかけ心をかけて丁寧に暮らしている、ひとつの表れだったのだと気がつきました。めんどう・じゃまくさいと安易に流れてしまう生活には無いものを感じた干瓢作りでした。ますます干瓢さんが愛おしく好きになりました。が、その年だけで挫折してしまった私でした。今年も、叔母から届くのを密かに心待ちにしています。 * * * 〈地味だけど、やさしいお日さまの味〉  料理の本には、塩で揉んで、一度ゆがいてから使うとあります。二酸化硫黄で燻製にして、漂白してあるからです。しかし、自家製のもの(無漂白・天日干しのもの)は、そのままいきなり煮始めても大丈夫です。  お巻き寿司だけでなく、お味噌汁の中にそのままキッチン鋏で切って入れたり、ロールキャベツを縛ったり、自己主張をあまりしませんので、いろいろと使ってみてください。近頃は、栄養価も再認識されているようですよ。  地味だけど、しっかりとやさしいお日さまと大地の味がします。